2019/11/02

シカゴ日記 - 4日目

雪だ。今日はハロウィン。 朝9時にポールさんの車でノースイースタン・イリノイ大学へ。Bridge Dance Festivalの宣伝のため、ラジオに出ることに。大学の建物内に放送局がある。ポールさん、リカさん、そしてAsian Improv aRts Midwestの青木先生と一緒に出演。シカゴではラジオで公演の宣伝をするのが普通なのかと聞いたらそんなことはないらしい。





緊張したけど、みなさんに助けてもらいながらなんとか無事に終わった。Bridge Dance Festivalは日本にルーツを持つアーティストが出演する企画なので、日本人としてのアイデンティティだったり、伝統的な踊りや音楽のことについて質問された。好きな曲を一曲流せると言われたので、Lizzoの「Good As Hell」をリクエスト。先週まで新長田に滞在していたエリンが作品の中で使っていた曲。
ラジオの放送が終わってから、近くのレストランでポールさんと2人で遅めの朝ごはん(早めの昼ごはん?)。ハラミ肉のタコスを食べた。付け合わせでスイートポテトのフライを頼んで、これが大当たりだった。普通のポテトはいつも途中で飽きて残してしまう。そういやアヤカは何歳なの?と唐突に聞かれ、27歳だよ〜と答える。昨日の上演前、オペ室でテクニカルのスタッフにあれがアヤカだよと教えたら「15歳くらいに見えるんだけど?リンクスはあんな若い子をアメリカまで連れてきてどうするつもり?」と言われたらしい。

午後はダウンタウンの方へ行ってみようと思っていたのだけど、雪があまりにすごいので諦めることにした。それなら、とポールさんからのお誘いでNational Museum of Mexican Artに連れて行ってもらうことに。ポールさんは昔ここで働いていて、なんと奥様と出会った場所でもあるという。職場のみんなに内緒で付き合っていたらしい。ミュージアムへ向かう車内でポールさんの昔の話を聞く。大学で映画を学び、ミクストメディア的な作品をつくってリンクスで発表していたと。まさに昨日の3番目の作品みたいなことをやってたと言うので、私は3番目のが一番好きだったと伝えると意外だったようで驚いていた。ポールさんの作品見てみたいな。





ミュージアムでは、ちょうど死者の日にまつわる展示を行っていた。最近私はメキシコの死者の日に興味を持っていて、というのも3月に上演した『フリーウェイ・ダンス』を振り返ったときそれと繋がる部分が多いように感じるからなのだけど、やっぱり何かが、近いなと展示を見て改めて思った。死者の日について知っている情報はとても少ないのに、近いと感じるのはなぜだろう?いつかちゃんと時間をつくって勉強したい。ていうかメキシコ行きたい。ポールさんと一緒にいると、シカゴのことよりメキシコのことに詳しくなっていっている感覚がある。私はそれをおもしろいと思うし、ポールさんがメキシコにルーツを持っていて、それを私に教えたいと思っていることも全て繋がっているような気がしてくる。というようなことを書くと、創作中は何でもかんでも繋がっているように感じるもんだけどそうでもないんだよ?と私を宥める人の顔がいくつか思い浮かぶ・・・。ミュージアムのショップにはプロレスマスクが置いてあったり、可愛いお土産がたくさん溢れていていろいろ買い物をしてしまった。あそこにあったもの全て買い占めたいくらい。ポールさんはハートの形をした吊るすタイプの飾り(正式名称がわからない)を買っていた。ハートのモチーフのものを集めていて、左腕にもハートのタトゥーが入っていると教えてくれた。なんでハートにこだわっているのかは聞かなかった。




最後に、ミュージアムの中で一番おもしろいと思った作品をYouTubeで見つけたので載せておきます。Rubén Ortiz-Torresというメキシコ人作家の『Garden of Earthly Delights』(2007)。映像内に出てくるカスタムされたトラクターの実物が人工芝の上に置かれていて、その背後でこの映像が流れている、という作品。

2019年10月31日