2016/06/19

2016年6月18日

来いよ、と言われて泣きながら朝一番の新幹線に飛び乗ったあの日のことを、これから私は一生後悔するのだろうか。もっと歌がうまければ、もっとせりふが喋れたら、私はあの人の少女になれたのだろうか。こうやって一生、悔やみながら舞台に立つのだろうか。中間さんありがとう、と言われて、このクソジジイ、と心の中でつぶやいた。いつか絶対に、と思っていた。私が憧れる人たちは、みんなずるい。ずるいです。さようなら。

2016/06/17

2016年6月16日

美香さんとこでは、転ぶと褒められた。転んでしまうくらい、ギリギリも超えたところで踊っていた。あの夏から1年が経とうとしている。最近の私はどうも知恵をつけすぎたようでつまらない。もうしばらく、ダンスを産んでいない。

2016/06/02

2016年6月1日

ひと月くらい前、友人の舞台を観に行った。「自分」を殺さずに舞台に立っている姿ばかりに目がいって、作品としてはよく分からなかったし好みではなかった。だけど、なぜだかその姿がとてつもなく羨ましかったし、愛おしかった。こんな風に人を見ることができるのだ、とそれは初めての体験だったように思う。20歳の時にはじめて賞をもらった。「誰でもない誰かとして存在していたところがよかった」というようなことを審査員のひとりに言われた。たくさん褒めてもらったけど、他になにを言われたかあまり覚えてない。あぁ、私のダンスに、ようやく気づいてくれた人がいた。ただそう思って、嬉しさをかみしめた。その日からはもう、私が私として舞台に立つことは一切なくなった。嘘をついているわけじゃなくて、でも本当のことを全部見せてあげるつもりもなくて、私は誰のためでも誰かとしてでもなく、その作品やダンスの生まれようとするその場所にとても自然に、振付られる存在として立とうとしている。どちらがいいとか悪いとかの話ではなくて、でもその褒めてもらったときの踊りというのは、先日観た友人が振り付けた作品に出ていたときのものだったので、やっぱり踊りはおもしろいナァ、と思ったのです。