2016/11/25

2016年11月24日

やりたいこととやれることは違う。好きなことと得意なことは必ずしも一緒じゃない。どんなに素質があってもそれを伸ばしたいと思えるかどうかは別で、どんなに強い想いがあっても才能がなければ辿り着けないこともある。自分と比べてずいぶん小さな手や足を触っていると、たまに怖くなる。この柔らかな身体を、私のたった一言で、私のこの手で、壊してしまうかもしれないという恐怖である。教師という立場の人間に、バレエという道具を使って、壊された身体をこれまでたくさん見てきた。今の子どもたちは身体的に恵まれている子が多くて、その柔らかな時期にたっぷり手をかけて色々注いであげたいけれど、私のそういう気持ちが先走るとすぐに彼女らの心は逃げていこうとする。いくらキチンとバレエの型に身体をはめてあげても、心がそこになければ意味がない。私がもっとうまく使ってあげるから、あんたのその脚ちょうだいよ。10代の頃、そう願ったことを思い出した。憎しみにも似た、汚い感情だった。