2016/04/06

2016年4月1日

あぁ、死ぬかも、と思った。これまで全く危機感を覚えないほどにぬくぬくと生きてきたわけでもないが、そんな風に思ったのは初めてのことだった。横に、ゆらぁっと揺れて、目の前がぐるぐる回っていた。貧血を起こして倒れる間際のあの感じがしばらく続いて、あれおかしいな倒れないぞと思ったのとほぼ同時くらいに「地震だ」と気がついた。オフィスビルの8階、誰の携帯も鳴らないし、なんのアナウンスもないとても静かな時間だった。大きく、ゆっくり、たっぷりと揺れた。気持ちが悪かった。「あの時の揺れ方に似てた」と社員さんが言って、誰も返事をしなかった。フロアにいたアルバイトは私だけだったのでなにか反応しなければと思ったが、「あの時の揺れ方」を知らない私は結局黙っていた。体感ではこれまで経験してきた中で一番大きい揺れであったが、あとから調べるとビルの建っている場所は震度1しかなかった。