2016/01/12

2016年1月12日

食べるという行為は身体そのものをあたためるのだなと、こんな夜更けに冷蔵庫の残り物の豚肉と白菜をごま油で炒めたものをフライパンから直接食べながら思う。鷹の爪も入れた。近所の魚屋では4カン1パックのお寿司が150円で売られていて、お昼時にたまに買いに行く。そこで働く男の人たちはいつも私を「オネーチャン」と呼ぶ。オネーチャン、可愛いから100円でいいよと何度かまけてもらったこともあって、そう呼ばれるのはなかなか気分がいい。今日も店に行くと「らっしゃい!オネーチャン、なんにする」といかにも魚屋な風貌のおっちゃんに声をかけられ、ブリのにぎりと、赤身の魚とシソの巻き寿司を選んだ。お金を払ってさあ帰ろうとした矢先に事件は起こる。私の後ろに並んでいた白髪頭で腰の曲がったおばあちゃんに向かって、魚屋のおっちゃんは「オネーチャン、なんにする」と言ったのだ。数分前に私に言ったそれと全く同じ調子で。とぼとぼと、お腹をすかせながら帰った。