2016/04/06
2016年4月1日
あぁ、死ぬかも、と思った。これまで全く危機感を覚えないほどにぬくぬくと生きてきたわけでもないが、そんな風に思ったのは初めてのことだった。横に、ゆらぁっと揺れて、目の前がぐるぐる回っていた。貧血を起こして倒れる間際のあの感じがしばらく続いて、あれおかしいな倒れないぞと思ったのとほぼ同時くらいに「地震だ」と気がついた。オフィスビルの8階、誰の携帯も鳴らないし、なんのアナウンスもないとても静かな時間だった。大きく、ゆっくり、たっぷりと揺れた。気持ちが悪かった。「あの時の揺れ方に似てた」と社員さんが言って、誰も返事をしなかった。フロアにいたアルバイトは私だけだったのでなにか反応しなければと思ったが、「あの時の揺れ方」を知らない私は結局黙っていた。体感ではこれまで経験してきた中で一番大きい揺れであったが、あとから調べるとビルの建っている場所は震度1しかなかった。
2016/02/18
2016年2月18日
ダンスじゃなくていいから踊りたいよ。私たちは、わたしは、それがダンスであるのかないのかいつも考えていなくちゃいけない。ダンスかどうかはさておき、という踊りをわたしはもう一生踊れないのだろうか?ダンスとは何か、そんな小難しいことは頭のいい人たちが考えてくれるから、ダンスかどうかはさておき、踊ろう。夢のまた夢のようなお話を夢見ながら、また今夜も「ダンス崇拝」の幻想に踊らされるのだ。まぁここんとこ最近は「ダンスなんてそもそも存在しない説」を胸に抱いてあたためている傾向にあるのでちょっとばかし楽ではあるが。
2016/01/26
2016年1月26日
ロンドンに住んでいた時にバイトして買ったマーチンの8ホールのブーツを売った。たいした額にはならなかったが、大事にしすぎてあまり履くこともなかったので後悔はない。ただ、自分でもよくわからない何かをひとつ清算したような気分ではある。17歳だった。泣きながら踊っていた。ダンスが嫌いなの?と聞かれて、そうだとはっきり答えた日のことは今でも覚えている。契約とは不思議なもので、来年の夏までは踊りを続けていなければならないらしい。明日自分の身体がどんな姿形をしているかもわからないのに、そんな他人の「踊り」なんていう不確定なものと契りを結ぶなんて、と思った。でも同時に、そういうことが自分の踊りへの自信に繋がるし、ダンサーとしてのプライドにも拍車をかける。昨日チラシを配っている最中、見知らぬ女の人に差し出した手をぎゅっと握られた。もっと長く感じたけれど実際には5秒くらいか、黙って強く握られたまま放してくれなくて、驚いて声が出せなかった。人通りは結構あったけれどその流れを止めることなく、私の前を通り過ぎるまでの間の出来事だった。あまりにも自然すぎた。最後の1秒あたりで、このまま殺されるかもとさえ思った。逆ギレしたおばあちゃんにチラシを顔面に投げつけられたり、酔っ払いに肩を抱かれたり、おじさんに握手を求められたりといったことはこれまであったけれど、それらは全て流れやリズムに不自然な行為で、だからこそ反応できた。自然であることが一番怖い。
2016/01/12
2016年1月12日
食べるという行為は身体そのものをあたためるのだなと、こんな夜更けに冷蔵庫の残り物の豚肉と白菜をごま油で炒めたものをフライパンから直接食べながら思う。鷹の爪も入れた。近所の魚屋では4カン1パックのお寿司が150円で売られていて、お昼時にたまに買いに行く。そこで働く男の人たちはいつも私を「オネーチャン」と呼ぶ。オネーチャン、可愛いから100円でいいよと何度かまけてもらったこともあって、そう呼ばれるのはなかなか気分がいい。今日も店に行くと「らっしゃい!オネーチャン、なんにする」といかにも魚屋な風貌のおっちゃんに声をかけられ、ブリのにぎりと、赤身の魚とシソの巻き寿司を選んだ。お金を払ってさあ帰ろうとした矢先に事件は起こる。私の後ろに並んでいた白髪頭で腰の曲がったおばあちゃんに向かって、魚屋のおっちゃんは「オネーチャン、なんにする」と言ったのだ。数分前に私に言ったそれと全く同じ調子で。とぼとぼと、お腹をすかせながら帰った。
2016/01/08
【出演情報】株式会社ABC TVCM出演中
2016年1月1日より、東海地方で放映中の株式会社ABC TVCM『ココロ、踊ってる?マッサージ編』に出演中です。
▼株式会社ABC CMギャラリー
http://www.abc-p.jp/pc/cm/index.html
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